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写楽考 [演劇]

■写楽考
作:矢代静一
構成・演出:鈴木勝秀
出演:堤真一/高橋克実/長塚圭史/キムラ緑子/七瀬なつみ/西岡徳馬
会期:2007年4月5日(木)〜4月29日(日)
場所:Bunkamuraシアターコクーン
http://210.150.126.198/shokai/cocoon/lineup/shosai_07_sharaku.html
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□story
時は、天明4年(1784年)、江戸八丁堀の八軒長屋。同じ一つ屋根の下、目指す画風の違いから何かとぶつかる絵師見習いの「伊之」と「勇助」。そこへ転がり込んできた世直し浪人「幾五郎」。青春を謳歌する3人の若者。
しかし彼らの人生が、やがて一人の女の死を境に豹変する。

ーー月日は流れて寛政6年(1794年)。勇助は「多喜川歌麿」となって一世を風靡していた。その歌麿人気をしのぐ勢いで登場した謎の絵師「東洲斎写楽」。さて、写楽とはそもそも何者か? 彼がその人生に背負った運命とは?

ーーさらに月日は流れて天保元年(1830年)、信州は沓掛村。そこには、二人の浮世絵師と過ごしたかつての日々をしのぶ滑稽本作家「十返舎一九」の姿があったーー。

□impression
写楽と歌麿という同じ時代を生きた二人の天才を軸とした、人物模様を語るストーリー。

個々のキャラクター設定も明瞭で、展開もスムーズ。
そして高所暗みから聞こえる太鼓、笛の音色が、
その淡々とした演出に粋なパンチを醸していた。

人物相関を簡単にまとめると。。。
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★伊之(後の写楽)
 朴訥と血潮を感じさせる男。

★勇助(後の歌麿)
 真面目で繊細、冷静な常識人。

★浪人幾五郎(後の十返舎一九)
 のんきで大らか、陽気で調子がよい。

★店のおかみであるお加代
 お色気満載、熟女のしたたかさをもつ、肉欲的な奔放女。地位や金もある。

★捨て子のお米
 生真面目で幼く、要領の悪さと、割り切りの良さを見せるいじらしい存在。
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若い二人の芸術家の心を翻弄するお加代。
お加代は勇助に心惹かれるが、伊之の体をむさぼり、
そして自分の生んだ赤ん坊の始末に困って捨てる(後のお春)、、
最終的に交わったままに、死ぬことを望む、、、

勇助はお加代の死体を見た途端、猛然と絵を描き始める。
後々、頭角をあらわし名声を得る歌麿。

その後、俗世から姿を消していた写楽の作品が、世に現れ、評価が高まる。
死を目前に、完全にやつれた様子を見せながらも制作に没頭する写楽。

舞台は一転、
春の田園風景に変わる。(驚きを隠せない演出。。。)
そこにはお春と十返舎一九。
そして、たくさんの孫にかこまれるお米ばあさんを遠くに眺める。
ほのぼのと、人間の生き様を見守るような終幕。

ストーリーそのものの展開が単純明快であったせいか、
十返舎一九演じる、カツミさんの、
よい意味でのテキトー具合?がこの物語の調子をとっていた。

その、ナレーター的存在でもあったカツミさん含め
全体的に観やすかったことは確かであるが、
いわゆるテレビ的というか、
受動的な見方をしがちな舞台であることは否めない。

舞台美術がいかにも2D的であったところの改善要望含め、
感情移入ができる&想像を掻き立てるという意味での
舞台体験を考えるきっかけを掴んだ舞台。

久々レビューに苦戦。。
お次は『薮原検校』だ!!


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