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藪原検校 [演劇]

藪原検校
作:井上ひさし
演出:蜷川幸雄
音楽:宇崎竜童
出演:古田新太/田中裕子/段田安則/六平直政/梅沢昌代/山本龍二/神保共子/松田洋治/景山仁美/壤晴彦
会期:2007年5月8日(火)〜31日(木)
場所:Bunkamuraシアターコクーン
http://210.150.126.198/shokai/cocoon/lineup/07_yabu/index.html
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□story
時は今から二百年ほど遡る江戸中期の享保、塩釜の地。小悪党の魚売り七兵衛は、醜女だが無類に気立てのよいお志保を嫁にもらい一旦は改心するが、女房のお産の金欲しさに行きずりの座頭を殺して金を奪う。が、生まれてきた男の子は盲だった。「座頭をひとり減らしてまたひとり殖やしただけだ」とめぐる因果の恐ろしさに、七兵衛は自害する。生まれた子は、塩釜座頭・琴の市に預けられ杉の市という名前をもらう。手癖が悪く手が早い杉の市は、十三で女を知り、師匠の女房のお市にまで手をつける始末。ある日、難癖をつけて金を巻き上げようとする佐久間検校と言い争ううち、検校の結解(けっけ=目明きの秘書のこと)を刺してしまう。別れを告げに寄った母の家で、誤って母を刺し、駆け落ちしようとお市と共謀して師匠琴の市を殺すが、お市は瀕死の琴の市の返り討ちにあう。
一人になった杉の市は師匠から盗んだ金を携えて江戸に向かい、門下生になるために学者・塙保己市の元を訪れる。晴眼者以上に品性を磨くことを目指す塙保己市が、万事が金と考える杉の市を弟子にするわけもない。
その後、藪原検校に弟子入りし、貸し金の取立てで見る間に頭角をあらわす杉の市。そして二度目の主殺しをし、念願だった二代目藪原検校の襲名披露の日、彼の前に立ちふさがる影が………。
(公式サイトよりそのまま引用)

□impression
「天保十二年のシェイクスピア」に続き、
井上ひさし×蜷川幸雄×宇崎竜童が再結集!の舞台。

8日初日にしっかり観ていたにもかかわらず、
今更レビューです。

ここ最近、ゆるりゆるりと鑑賞をすすめた中でも
なかなかパンチの効いた舞台でした。

古田新太の、古田新太による、古田新太のための・・・
といっても過言ではないほどに、
初日とは思えないほどの完成度で
存分に笑わせてもらいました。

スムーズで心地よいナレーションや、
ギリシャ悲劇でいうところの舞踊合唱隊(コロス)のような掛け合いに
よって進行する話の展開により、
話の根源にある因果を含んだ憎しみや嫉妬が軽妙に語られ、
それが尚更に杉の市(古田新太)の孤独を表現するようで、
後半部は杉の市に同情心さえも抱きました。

こうあってこその生で観る価値。
心底思えた舞台でした。

お次は、野田地図(NODA・MAP)番外公演『THE BEE』!です。



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コメント 4

さくら

はじめまして!
ブログ拝見しました。
さすがにたくさん見てらっしゃいますねぇ
同じ演目を見てる事も多くて、楽しく拝見しました♪

「薮原」トラックバックありがとうございます。
いろいろ言われている見たいですが「薮原検校」私は好きでした。
猥雑さを落としすぎずに、ぎりぎりのところでみせてましたね。
古田さん、やっぱり上手いです。
by さくら (2007-06-08 07:16) 

nakashi

★さくらさん
いらっしゃいませー。ご訪問いただきありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。
by nakashi (2007-06-09 11:16) 

チヨロギ

こんにちは。おひさしぶりです^^
TBありがとうございました。
藪原検校、思ったほど毒がきつくないなぁと感じたのですが、
あれも古田さんのうまさなのでしょうね。
こちらからもTBさせていただきました。
by チヨロギ (2007-06-09 16:06) 

nakashi

★チヨロギさん
ごぶさたしております!
TBありがとうございます。
確かに、私も想像していた毒よりは・・・という印象を持ちました。
初日だからかな、、、とも思っていましたがやはり古田さんのうまさからくるものなのでしょうね。
by nakashi (2007-06-11 00:05) 

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