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あわれ彼女は娼婦 [演劇]

■あわれ彼女は娼婦
作: ジョン・フォード
翻訳: 小田島雄志
演出: 蜷川幸雄
出演:三上博史/深津絵里/谷原章介/石田太郎/立石凉子/梅沢昌代/高橋洋/月影瞳/戸井田稔/妹尾正文/鍛治直人/たかお鷹/中丸新将/有川博/瑳川哲朗
会期:2006年7月6日(木)〜7月30日(日)
場所:Bunkamuraシアターコクーン
http://210.150.126.198/shokai/cocoon/lineup/shosai_aware.html
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□story
中世のイタリア、パルマ地方。勉学に優れ、人格的にも非の打ち所がないと将来を嘱望されるジョヴァンニは、尊敬する神父に、自分の心を長く苦しめてきた想いを打ち明ける。
それは、妹アナベラを女性として愛しているという告白だった。神父は叱責するが、ジョヴァンニは鎮まらず、アナベラに気持ちを伝えてしまう。すると彼女もまた、兄を男性として愛していた。ふたりは男女として結ばれるが、幸福な時間は続かず、やがて妊娠が判明。カモフラージュのために、アナベラはかねてから求婚されていた貴族のソランゾのもとに嫁ぐが、ソランゾは彼女の不義を見抜き、怒り狂う。そして、お腹の子供の父親が妻の実の兄であることを探り当てるのだが……。(公式サイトより引用)

□impression
行ってきました!待ちに待って!!!

タイタス・アンドロニカスの時は舞台全体が白い中、
赤が差し色として映える印象をもちましたが、
今回はふかっちゃん演じるアナベラの純白が差し色として映えるような
トーンの暗い舞台です。
後方には半円上の2階建ての建物に窓が並び、その窓ひとつひとつには
サテン風のつるつるした質感のカーテンが張られ、
ストーリーの展開に応じてそれらが風でたなびく演出がありました。
また、天井からは赤い糸のようなものが無数に垂れ、悲劇としての血生臭ささを
彷彿させられます。

ふかっちゃんと三上さん。
この組み合わせ、期待以上にイイです。
何らかの形で誇示しているものを見せられるという感覚ではなく
観客としてこの2人の醸す生々しさをのぞいているような心持ちになれる、
その禁断の演出が妙にリアル。

三上さんの小柄ながらに筋の見えるような魅惑の存在感が効いていて、
娼婦とうたわれるアナベラ(ふかっちゃん)の純粋さがさらに引き立つようでした。

表題にも掲げられている「あわれ彼女は娼婦」。
これは果たしてアナベラの実兄とセックスしていた行為に対してなのか
実兄の命を救うためにといえ、事態を収拾させるために好きでもない男との結婚に踏み切った行為に対してなのか?
個人的にはおそらく後者なのではないかと思うところと、
そうあってほしいと思うところがあります。

もう一回観に行きたい舞台です。


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